歯周病について

歯周病は罹患しても痛みを伴うことなく進行する事が多く、『サイレント・ディジーズ』とも表現される非常に恐ろしい病気です。
悪化していくと全身にも影響し、心疾患等の原因ともなりうるのです。
軽度→中等度→重度となるにしたがい治療期間もかかり、また健康な時の歯肉の状態に完全に戻すのが難しくなるので早目の治療が不可欠です。
また、感染症ですから家族間でのリスクも大きくなります。
プラークコントロールが充分に行えればリスクも避けられる病気です。
何故、歯を磨く必要があるのか、何故しっかり磨かなくてはいけないのかをしっかり理解し、プラークコントロールを生活習慣にすることがこの病気に必要なのです。
歯周病の原因について

歯周病とは感染症ですが、しっかりとしたプラークコントロールを行えば人から人への感染は極力抑える事が可能です。
自分の体にもともといた歯周病菌がある状況下で繁殖して、それに対して体が反応し、その細菌や歯肉、歯の周りの骨まで分解して歯周病の症状を出すのです。
タバコ、遺伝的な因子、歯ブラシがしっかり出来ない、等の事が歯周病を悪化させる原因となります。
ですから、当院では…
エピオス水 | 肝炎、ウイルス、ノロウイルス、インフルエンザ、歯周病菌、虫歯菌に効果があります。 |
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ウッドピロス Wood Pyros |
タンパク質と瞬時に反応(凝集、凝固)させて、体積を縮小させポケット内より、起炎物質を排出します。 |
…などの設備・材料を使用し、歯周病原因菌を抑える根本的な治療を行っております。
歯周病の症状・進行について

歯周病は感染症ですから抗生剤の服用にて治癒に向かいますが、長期間服用の必要があり全身的問題が生じることがありますので、急性時のみに使用します。
治癒期間も軽度>中程度>重度になるにしたがい、長期化します。
軽度程度の処置で終わるように早期の検査来院をお勧めいたします。
歯周病の治療(軽度)
歯周病診査診断には当院ではx-ray診査(今まで見えなかった所を立体的に解像して診断するCT画像を出せる機器)、口腔内診査、歯周ポケット、動揺度テスト、不良補綴物のチェック、咬合チェック、プラークスコア、全身状況の問診及び検査値のチェックの検査を行います。
結果、軽度であれば診査結果により、歯周病原因となる項目をなくすべく処置を行います。
処置の例として…
- 咬合調整
- 除石
- ブラッシング指導
- ウッドピロス指導(*必要な方のみ)
- エピオス指導(*必要な方のみ)
…この一連の処置を1か月ほど行い、2回目のポケット診査、プラークスコアを行い、改善した場合は、定期検査に移ります。
歯周病の治療(中等度)
診査により、中等度診断の結果の患者様は初期治療(軽度の処置内容と同じです)後、麻酔下にて根面の滑沢化を行い、1ヵ月後ポケット診査を行います。部分的に歯周ポケットの深い部分が残る所を部分的な外科処置を行う事もあります。
ウッドピロス、エピオスの使用は必要な方のみ行っております。 また、レーザー治療を行うケースもあります。
歯周病の治療(重度)
診査結果にて骨欠損の大きいケースです。初期治療は、軽度、中等度の処置を同じですが、動揺の大きい歯は動かないように行い、また咬合回復及び固定を兼ねた入れ歯を装着してもらう事もあります。
2~3ヵ月後、初期治療の経過をチェックしながらコンクールなどを使用し、プラークスコアチェックも行いつつ外科処置の必要部位を決定し、外科処置へ移行してゆきます。
骨欠損の大きいケースでエムドゲイン、人工骨細粒や特殊な膜を使用する事もあります。
歯周病と口臭の原因
歯周病が進行し、歯周ポケットが4㎜以上となると、メチルカブタン等の揮発性硫化物が産生され、口臭の原因となります。当院では、口臭測定器により測定も行っております。
歯周病が及ぼす全身疾患
歯周病が進行し、歯周ポケットが深くなっていくと細菌が血流中に侵入し、動脈硬化と関係があると研究結果が報告されており、心臓疾患とも大きく関与しております。
歯周病と抜歯

当院ではなるべく歯を残す方針で考えていますが、患者様の生活状態、健康状態、メンテナンスの実行状態、機能回復におけるその歯の必要性や、CT検査により処置の成功度などを考え合わせ患者様と相談して処置を決めていきます。
歯周病の予防
歯周病は菌による感染症ですから口の中の菌の数をなるべく少なくし、菌の生息する場を無くしていく事が予防となります。
予防方法について
- エピオスとブラシを使用して、歯磨き
- Wood Pyros(ウッドピロス)を使用し、菌の生息しにくい環境を作る。
- 物が残るような不良な被せ物の改善を行う。
- 入れ歯の清掃指導をする。
- 咬み合わせが良い状態となるよう調整および被せ物を作り替えを行います。